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S660レンタル記 インプレ編

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 発売からそろそろ二年が経ちますが、発表当初は約20年ぶりの「ビート」の再来として熱狂をもって迎えられ、納期が一年以上という時期まであったホンダの軽オープンカーS660をレンタカーで借りて、ずっと気になる存在だったコイツを二日間思いっきり乗り回すことができました。


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 Jネットレンタカー静岡駅新幹線口店と静岡店の限定で現在開催されているS660体感キャンペーンを使って借りてきました。平日の連休を使って予約したところ意外にもすんなり取れました。料金は二日間、免責補償費用込みで1万5千円程でした。コペンセロのプランもあります。

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用意されたのは最上級グレードαのAT車。メーカーオプションのプレミアムビーチブルー・パール塗色とセンターディスプレイがついていました。恐らくS660はこれ一台だけだと思われます。

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ポリバケツブルーだ!なんて思っていましたがパールが入っているのでポップな色味ながらも上質感のある雰囲気を纏っています。こんな色が似合うのもプレミアム軽カーならではですね。

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かつてのミッドシップ軽スポーツ、ビートを彷彿とさせる前後を切り詰めたロー&ロングなボディはもちろんMR。走るためだけに生まれたクルマに許された特別な構成が心を奮い立たせます。

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 現行車で最も低い全高の軽スポーツということでとにかく小さな、以前に所有していたカプチーノのような雰囲気を想像していましたが、実物は小さいながらも非常にアグレッシブで堂々とした佇まいで存在感が凄い!その構成しかり今時のデザインしかりで縮小版スーパーカーのよう。

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センター1本出しのマフラーとブラックアウトされる面積が大きいリアバンパーがスポーティーです!室内のヘッドレストから連続するデザインのフェアリングもスーパーカー的でイケてます。

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価格は新車で198万円からと軽自動車では最高級車の部類です。無限RAが300万円もしたのには目が点になりましたw 納期は現在ならほぼ即納だそう。果たして価格に見合う車か…?

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前後ディスクブレーキ、64psのターボエンジン、マニュアル車なら軽初の6速MTを採用しています。軽自動車の業界自主規制値である64馬力を超えるという噂は結局ふいになって残念。

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宝石のようなレンズ造形のLEDヘッドランプ。明るいです!オート機能付きなのも嬉しいです♪

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前後異径のホイールもビートの伝統に倣っています。フロントタイヤのサイズは165/55R15。

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リアは195/45R16。共にアドバンネオバAD08Rです。ハイグリップなので駐車場や荒れた路面ではくっついた砂利がパチパチとボディに当たって音を立てます。ロードノイズも若干大きめ。

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 太めのサイズで軽自動車ながらも迫力の見た目に寄与しています。専用タイヤですがパターンはレーシーでカッコいい!重量配分の関係上一般的にコーナリングがピーキーな特性となるMR車という事で必要な際に自動で内輪にブレーキをかける電子制御「アジャイルハンドリングアシスト」とハイグリップタイヤで、絶対にブレークさせないぞというメーカーの姿勢が見えます。

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テールランプの造形もフロント同様にこだわっていますねぇ~。曲線が艶めかしい(*´Д`)

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エンジンフードの穴から覗くHONDAのヘッドカバー。クルマ好きをワクワクさせる演出です。

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オープンはタルガトップに近い形式ですが、エンジンフードの向こうの小窓が開くことによってフルオープンに近い開放感を手に入れています。ココを開け閉めするだけでもかなり違います。

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 エンジン音は一般的な三気筒660ccの低音を少し強調したようなもの。決していい音とはいえずむしろ凡庸な音ですが、しかしアクセルオフ時のタービンのブローオフサウンドがフシュン!パシューン!と、しっかり聴こえるのがすごく楽しいです。小窓を開けるとまるで社外バルブを装備してるかのごとくかなり派手に聴こえてきます。ミッドエンジンならではの小技が光りますね。

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 オプションのCTBAが装備されています。30km/hまでの範囲で効く衝突軽減自動ブレーキです。渋滞時の踏み間違いなどに効いてきそうですが基本的にはよっぽどのことがなければ作動しません。ただ夜に一度だけ、直進時に前の黒い車が左折したのを追い越す時にピピピッと誤作動しました。制動はほとんど感じられませんでしたがしばらく警告灯が点きっぱなしに・・・。

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 オープンカーらしく高いサイドシルを乗り越えて室内へ。シートの座面がサイドシルと同じくらいの高さなので、低い車ながらも乗り降りはそれほど苦には感じませんでした。ドアトリムはドライビングポジションの関係上、アームレストより下が存在していません。かなり異質な雰囲気!?

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フロアマットには専用のロゴプレートが奢られます。こうした所でも特別感が高い車です。

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 シートは結構硬めのセミバケットタイプ。初日のドライブではお尻や背中に若干の痛みを覚え、買うならここは変えたいななんて思いましたが、後日の伊豆ツーリングでは(別記事で紹介予定です)丸一日走り回っても全然疲れない、かなり良いシートに感じました。社外フルバケに変更の場合はドアや幌への干渉、ステアリングオフセットのズレが課題となってくるそうです。

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 ホンダ車最小径を誇るDシェイプステアリングの中心から計器類が覗き見えます。ステアリングをどこにチルトしてもしっかりメーターを読めたのでここはよく考えて作られたのだろうなと感心。FN2ではそうもいきません。中央に配されるタコメーターは内側にデジタル式のスピードメーター(ホンダの軽自動車で初採用!)があり、直感的に必要な情報を視認できます。革巻きのステアリングやシフトノブのさわり心地は最高で、内装の造りは軽自動車離れしています。

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 メーターは時計や外気温のほかに、ツイントリップメーター、瞬間燃費計、平均燃費、航続可能距離などを表示可能。シンプルですが必要なモノは全て揃っている感じです。左手に見えるSPORTボタンを押せば写真のようにメーター照明が赤くなり、ブーストメーターが出現します。

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 セレクターはストレート式で節度のあるカチカチ感が良好。ノブはMT車を彷彿とさせる触り心地&操作感です。CVTはクリープがあまり強くなく、坂道でPやRからDに入れてすぐ発進したいような場面で少し後ろに下がってしまうなど、一般的なCVTの悪癖が残ってしまっているのは残念。しかしターボとの相性はとても良く、トルクバンドをキープしたまますっ飛ぶ走りを見せます。

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 エアコン・オーディオパネル。専用設計のオートエアコンを装備。オープン時に冷えやすい体の箇所へ積極的に送風するMIDモードを使うと、まるで露天風呂に浸かっているかのような温かさを感じることができます。オープンカーで走るのは最高だし、露天風呂も最高、ならば走る露天風呂を作ったら最強なんじゃないの!?なんてコンセプトで生まれたに違いありません(ぇ

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パワーウィンドウはリアの小窓を含めて三箇所。経年劣化による安全上の問題があるらしく、
残念ながらオート機能は無しです。ちなみにドアミラーも電動ですが、電格機能はありません。

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 DIN規格に対応しないS660に唯一使える備え付けモニターのセンターディスプレイ。これを試せたのは嬉しい!時計表示の他にGメーター・ブレーキ踏力・アクセル開度表示、バックカメラ表示、スマホやデジタルオーディオとの接続による音楽プレーヤーの表示機能を使えます。

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 スマホアプリのインターナビポケットを起動して接続すればカーナビとしても使えます。ただし画質がかなり荒い上、ポイント操作ができず(地図で気になる場所を見つけても、スマホ側であらかじめ登録した地点にしか目的地設定ができない。その上接続中は携帯が使用不可に)、インターナビ無料版ではリルートや音声案内をせず使い物になりませんでした。アプリのバージョンアップによる拡張性があることには少し希望が持てますが、特にポイント操作ができないのはつらく、少々コストが上がってもここはタッチパネルを採用するべきだったでしょ!と思います。

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接続端子は12V電源、HDMI端子、USB端子が有り。Bluetoothの無線接続にも対応。

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グローブボックスはメカニカルキーでロックができるため、ETC車載器をここに装着すればオープン時に車を離れる際も安心してETCカードを挿したままにできます。容量は車検証入れ+α。

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 シートの間にドリンクホルダーひとつと(ホンダアクセス製ドリンクホルダでもう一つ増設可)
コンビニフックがひとつ。あとはセンタートンネルの窪みに携帯などの小物を置ける程度です。
幌の裏に自転車用ネットを張る等、室内収納の少なさをカバーするにはアイデアが必要です。

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 シートはリクライニング幅があり、助手席裏にはポケットが備えられています。車検証類をここにファイリングして入れておいてグローブボックスを物入れにしたり、二人乗りの場合で荷物がある際には隣人に少々我慢いただいてリクライニングさせた所に荷物を置く使い方もできそうな雰囲気です。運転席は自分の場合、一番後ろにした状態でちょうど良いくらいでしたが・・・。

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スマートキーは近年の軽以上のサイズのホンダ車に採用される、しっかりした造りのものを採用。Nシリーズの細くて小さいタイプとは違います!カーボン柄なのもこだわりポイントですね♪ 

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幌は布製のロールトップ。遮音性は決して高くないですが慣れれば1分足らずで脱着できます。

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脱着手順はまずセンターロックを一箇所パチンと外します。チャチな造りがちょっと心配な所。

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次はロックスイッチを指で引きながらレバーを倒してリリースします。これが左右にあります。

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幌をクルクルと巻き取って(このとき左右のドアを開けるか窓を開けておきます)、あとはフロントのユーティリティボックスに収納すれば完了です。幌は骨組みを有し、少し重いのでご注意を。

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ダンパーで開閉されるフロントのボンネットの下にユーティリティボックスがあります。オープン時は幌の格納場所として、それ以外では唯一ともいえるトランクスペースとして使えます。

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奥行きは多少ありますがコート一着でも厚さを選ぶであろう容量です。純正工具もここに。

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底蓋を外すとジャッキとパンク修理キットが入っていました。欠かせないものですからね・・・。

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幌を入れた状態。わずかに小物を入れられる空間は残りますが、ほぼゼロとも言えますね。

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 エンジンフードは逆ヒンジ開き!そして四輪独立懸架!運転中は背中の辺りに来るエンジンで、走行中はスムーズですがアイドリングではガサツな音と振動が伝わってます。しかしターボ車ながら条件が揃えばアイドリングストップが働くので、信号待ちでアイドルストップしてくれると何だかありがたい気持ちになります。踏んで走った後はしばらく効きませんでしたが、エアコン使用時でも結構発動してくれた印象なので、アイドル振動を補う良い組み合わせだと思います。条件はまちまちのようで、たまに止まってほしくない所でも止まることがあったので本当はOFFボタンがあれば良いです。基本的にブレーキ踏力が表示計で2以上なら高確率で止まるようにはなっているので、慣れてくるとブレーキの踏み方である程度の調整はできるようになりました。

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 ここから覗くマフラーもまたレーシー!!絶対的な速さ、とくに上り坂のパワーではやはり軽ターボの域を出ませんが、背中をグイグイ押される加速を魅せてくれ、アイポイントの低さもあって体感ではかなり速く感じます。高速道路での100km/h巡航時の回転数は3,000rpm弱。

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 常に空が見えることを目指して開発されたS660のコックピット。これは運転手目線になるべく近い所から撮ってみた写真ですが、細めのAピラーとも相まってタルガに近い構成ながらもかなりの開放感があります。ドアのショルダーラインが高いため(腕は投げ出しづらいです)適度な包まれ感はありますが、それでもそれを閉塞感としては感じられない造りなのでよく出来ているなと思います。フロントボンネットはここからほとんど見ることはできませんが、軽自動車サイズなので取り回し感覚は身にまとうような良好さ。小回りも効きますし気負わず乗れます。車幅の大きい愛車のFN2で結構神経質になる所のある自分には心に響くポイントです。車線変更時の後方確認は行いづらいですが、ヘッドレスト後ろの小窓などで確認できるようにもなっています。

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 一般的なコンフォート路線を重視する車は遮音性や気密性が高く、それによって運転の疲労感は抑えられるものの代わりに「鉄の塊で自分が移動している現実感」は欠如します。居眠り運転の原因にもなって危ない事ですが、オープンカーで走る場合は移動している実感が非常に高いです。S6を借りた二日間はアドレナリンが出っぱなしで返却までかなり走り回ったにも関わらずほとんど疲れませんでしたがw 風の匂いや温度を感じつつ走るこのリアル感はバイクに近いものがあり、他のクルマでは決して手に入れることのできないものです。最初のクルマは同じ軽オープンのカプチーノですが、やっぱり自分はオープンカーが好きだという気持ちが完全に蘇りました。シビックの車検が来たら、それを通さずに乗り換えちゃおうか本気で考えています。

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 ハンドリングの鋭さはタイプRのような尖り感ほどではないですが、運転手自らのカラダを中心にクルマがくるっと向きを変える独特のGの感じ方を交差点レベルでも感じることができ「これがミッドシップか!」と強い印象をいだきました。街乗りでは固く、よく跳ねて微振動も多く、正直安っぽい乗り味のサスペンションもワインディングに入ると本当に良い仕事をしてくれます。カプチーノで峠を走ると恐怖を感じる不安定感がありましたが(スピンしたり刺さった経験も…)エスロクは車体がカッチリとしているのもあってまったく怖い感じを抱かずにハイスピードコーナリングに挑めます。アジャイルハンドリングアシストの効きについては感じようとしてもほとんど分からないですが、確かに思い描いた走行ラインを見事になぞれる気持ちのよい走りができます。

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 MT派の自分ですがCVTは先にも述べたとおり、ターボの美味しい所をキープしたまま途切れない加速を維持でき、コーナリングで変速のことを考えずに集中することもできるので、CVTも大アリだと考えが改まりました。パドルシフトの7スピードモードはシフトアップ側ではダイレクト感に欠けますが、ダウンではかなり強いエンジンブレーキをかけることができます。長距離ドライブでも疲れずオープンエアを楽しむことに徹せますし、自分はバイク事故で負った右足の後遺症でMTの運転がちょっと大変に感じるようになってきたので(現にFN2の使用率はかなり低めです)、買うならCVTを選ぶと思います。また軽オープンの良いところとして、軽量な車体で非力なエンジンでもキビキビと走れるところが挙げられます。スピード感はスポーツカーそのものですし、それにそれほどスピードを出さないでもなんだかハッピーな気持ちになって走れるところがあります。絶対的な動力性能は普通車にこそ敵わないものの、より低めな速度域でもスポーツドライビングを行えて楽しめるというのは、結果として自分や他人の安全にもつながります。各自動車メーカーにはもっとそんな軽オープンの普及につとめてもらいたいと思っちゃいました。

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 エスロクはコンビニでお菓子をひとつ買うだけでも、二人ならそれで大騒ぎになるレベルの狭くて実用性がない車です。こんなに大きな欠点がある車も今時珍しいですが、軽規格でミッドシップのこんなドライビングマシンが新車で買えるのだという奇跡を前にしては、そんなこと後からどうとでも対処できる些細な問題に感じてしまいます。エスロクを選ぶということは、競合車のコペンよりもケーターハムやKTMクロスボウのようなトラックトイカーを買うのに近いイメージの割り切りが必要かもしれませんが、価格・実用性共にそれらよりハードルはかなり低いです。独り身ならファーストカーとしての使用も可能だとは思います。理想としてはセカンドカーとしての運用ですが、自分なら今のようにバモスと組み合わせて使おうかなぁなんて思って並べてみました。

 色々思うままに書き連ねてしまいましたが、今回のレンタルによって一気にS660に惚れ込んでしまいました。ミッドシップ&オープンの快感のみならず、今時の車として、そして軽スポーツとしての良い所諸々のエッセンスがしっかり詰まってます。気になる方は試乗だけでなく是非レンタルをお勧めするクルマです。次回では二日目に伊豆を走ったときの雑記を載せる予定です。
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